『深い夜の果てに』

 

ベルタ・シュミットエラー著  岸本紘訳
朗読:小川政弘

【第1回〜第9回】

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●第1回

25年ぶりに再会した、かつての恋人同士、外科医師で教授のゲオルク・ヨハニンクと看護婦のブリギッテ。運命の再会に、二人の心は激しく燃えますが、心から神を信じるクリスチャンのブリギッテは、今もゲオルクを愛しながらも、相変わらず 信仰を表面的にしか考えようとしない彼の生き方を知り、悩みます。そしてゲオルクの家族に、彼の生き方を変える大きな出来事が…。

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●第2回

医者のゲオルグ・ヨハニンク教授の勤める県立病院に、看護婦のブリギッテが新しく入ってきます。実はこのブリギッテはゲオルグ・ヨハニング教授の昔の恋人だったのです。妻のローゼマリーとはすでに心のつながりを失っていたゲオルグは懐かしいブリギッテとの25年ぶりの再開に動揺し回想にふけります。

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●第3回

かつての恋人ブリギッテと25年ぶりに再会したゲオルクは、胸が高鳴るのを覚えます。それというのも、彼女と別れて上司の娘と結婚した彼の家庭生活は、決して幸福なものではなかったからです。彼はあの悲しい別れの日のことを思い起こします。二人を隔てたのは、お互いの神と信仰に関する考え方の越え難い溝でした。

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●第4回

ブリギッテは、再会したゲオルクに誘われ、郊外にドライブすると、彼と別れてからの25年間のことを話します。ハンブルクでクリスチャンのドクター・ヘ-ンと出会い、結婚したこと。長女のエーディットと長男のペーターを設け、もう二人とも家を離れたこと。そして夫とも死別したこと…。話し終えた彼女の目に一筋の涙を見て、ゲオルクは彼女が夫を愛していたことを知ります。

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●第5回

愛するブリギッテが、もはや独りだけの生活であることを知ったゲオルクは、今度こそ彼女と結婚して、幸せな生活を築きたいという願いを彼女に打ち明けます。彼女の心も激しく揺れ動き、神のみ心を求めて祈ります。「彼が欲しい。でも彼には妻も家庭もある。それに…。」彼女の心をとどめているのは、25年後の今もまた、信仰の問題、罪の問題でした。

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●第6回

一方、ゲオルクの妻のローゼマリーは、今夜も遅い夫の帰りを待ちながら、夫に好きな女性ができたのでは? と疑います。そして冷たい結婚生活と、二人の愛に初めて亀裂の入った日のことを悲しく思い出すのです。心から夫を愛して、その誕生日にやってあげたことを誤解されてしまったあの日のこと。以来、亀裂が大きくなるままにしてしまったのは、彼女のプライドでした。

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●第7回

再会した二人の親しさは、やがて同僚たちのうわさにも上るようになります。それを耳にしたブリギッテは悩みました。彼への思いと、彼の家庭を壊したくはないという思いの中で、彼女のできるのは神に祈ることだけでした。一方ゲオルクは、妻と別れてブリギッテと幸せな家庭を築こうと決意し、二人の弁護士に相談しますが、それが成立する条件は、自分の“罪”を認めることだと知らされます。

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●第8回

10月1日の病院創立25周年式典が近づいてきて、看護婦たちはその準備で大忙し。ブリギッテは長年の経験を生かして、その中心となって活躍します。その式典にはゲオルクの妻のローゼマリーも出席すると彼から聞かされたブリギッテは、自分はどうすればいいのか悩みます。一方、ローゼマリーも、夫に好きな人ができたらしいと気づき、緊張しながら式典の日を待っていました。

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●第9回

いよいよ記念式典の日が来ました。ブリギッテは、ゲオルクの妻ローゼマリーと初めて顔を合わせます。ローゼはこの女性が夫の心を奪った人だと直感しますが、なぜか憎しみは感じられず、その人柄にかえって心の安らぎさえ覚えます。一方のブリギッテも、ローゼの自負心には気づきますが、決して冷淡な人ではないと見抜き、この家庭を壊す前に身を引こうと心に決めるのです。

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